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MVNOでも始まった「音声通話定額」、各社の取り組みを整理

現在、当コーナーでは音声通話強化に踏み切るMVNOへのインタビューを不定期連載しているが、インタビューで取り上げた事業者も含め、ここにきてMVNO各社が通話オプションを相次いで発表している。そこで今回は主な料金プランを取り上げ、各社の取り組みを整理してみたい。

複数のMVNOが「音声通話定額」や「無料通話」を既に実現

MVNOがデータ通信で携帯キャリアに比べて安価な料金設定ができるのは、単純に言えば、携帯キャリアから借りた通信帯域を多くの利用者でシェアさせているからである。快適性とのトレードオフではあるが、理論上、限られた帯域にたくさんの利用者を詰め込めば、利用者1人あたりのコストは大きく抑えられる。

一方、音声通話については、通話時間で算出される通話料と月額基本料の組み合わせで卸値が決まるため、MVNO側が持つ料金の裁量権は限定的だ。そのため「20円/30秒」で各社がほぼ横並びの状況が続いていた。

しかし現在、この構図は崩れつつある。下の表は、MVNO事業者が提供する主な「通話定額」「無料通話」プランをまとめたものだ。国内完全かけ放題、一定時間のかけ放題、無料通話と、携帯キャリアと遜色ない通話プランがMVNO側から提供されていることが分かる。「U-mobile」も10分以内の通話(月300回まで)とデータ通信を組み合わせたプランを今月から開始することを既に発表しており、この動きは今後も加速しそうだ。

MVNOが提供する主な「通話定額」「無料通話」プラン(出典:各社資料をもとにMCA作成)

ただし注意が必要な点もある。卸値が決まっている中で安価な料金を実現させるため、IP電話や中継電話(プレフィックス)といった、通常音声通話とは異なる仕組みを導入しているケースが多い。この場合、通話品質や通話相手への番号通知の面で通常とは異なる挙動となるサービスもあり、利用の際は事前に確認しておいた方が安心だ。ちなみに、通常音声通話を無料通話や通話定額に対応させたプランの場合、そのような心配はない。

次回は、各社が音声通話を強化する背景を探っていきたい。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて6月3日に公開された記事となります。
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