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約2年ぶりにKDDIが純増数トップに、ただし数字の持つ意味合いに変化も

携帯キャリア3社の決算が8月2日までに出揃った。そこで今回は、各社の最新の契約数について取りまとめてみたい。

出典:各社IR資料よりMCA作成。ソフトバンクについては契約者数公表方法の変更に伴い増減の単純比較ができない部分を空欄とした。

2016年度第1四半期(2016年4~6月期)における各社の契約数増減は、NTTドコモが65.0万増、KDDIが68.0万増、ソフトバンクが37.7万減となった。

ソフトバンクではスマートフォン、従来型携帯電話、タブレット等の契約数を主要回線と位置付けており、その契約数は11.2万増だった。主要回線に含まれないPHSや通信モジュールの減少が大きいため全体では純減となっている。

四半期ベースの純増数でKDDIがトップとなったのは、2014年度第1四半期以来のこととなる。とはいえ、各社の純増数が持つ意味合いに違いが生じ、単純比較が難しくなってきたことを指摘したい。

NTTドコモ

NTTドコモの純増数には、順調に拡大するMVNOの契約数が含まれていることは周知の事実だろう。「UQ mobile」や「mineo」など、一部にau回線を借りるMVNOはあるが、ほとんどのMVNOはNTTドコモの回線を借りており、そこでの獲得数も純増数に含まれる。

KDDI

純増数でトップとなったKDDIは「個人向け販売」以外の伸びに支えられている。KDDIは、全体の契約数に加えて「パーソナルセグメント」での契約数も発表している。16年度第1四半期、全体の純増数が68.0万増だったのに対し、パーソナルセグメントでの純増数は22.1万だった。つまり、残りの45.9万は法人向け販売や自社グループ以外のMVNO契約数によるものといえる。

ソフトバンク

ソフトバンクの場合、その契約数にはワイモバイルの数字も含まれている。内訳は公開されていないため、ブランドごとの動向を比較するのは困難だ。なお、同社の解約率は1.13%で、2014年度以降で最も低い水準を記録している。

出典:各社IR資料よりMCA作成。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて8月5日に公開された記事となります。
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