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端末スペックに見るSIMフリースマホの多様性

新製品数では既に携帯キャリアに比肩するまでに拡大したSIMフリースマートフォンだが、携帯キャリアの端末と違いはあるのだろうか。端末スペックから状況を探ってみたい。

以下に示すグラフは、2014年度上期(2014年4月~9月)以降に主要メーカーが国内向けに発売したAndroidスマートフォン(7インチ未満)を対象に、端末重量および端末幅の分布状況と、各期間における平均値の推移を示したものである。携帯キャリアが発売したものは含まれていない。また、2016年度上期は現時点での暫定値である。

出典:MCA。16年度上期は現時点での暫定値。主要21メーカーの製品を調査対象とした。

端末平均横幅の推移を見ると、6cm台のスマホが数多く発売された2014年度下期を除き、おおむね7cm台となっている。通信キャリアが発売した端末もここ3年ほど7.0~7.3cmの間に収まっており、同様の傾向を示した。

出典:MCA。16年度上期は現時点での暫定値。主要21メーカーの製品を調査対象とした。

端末平均重量は2014年度上期の137.3gから2015年度下期の151.2gまで増加傾向が続いていたが、2016年度上期は暫定値ながら減少に転じた。通信キャリアが発売した端末は、2014年度下期に150gを超えたものの、以降は140g台後半を維持している。実現時期は異なるものの、140g台が平均値という傾向は同様のものとなった。

ここまでの平均値比較からは、通信キャリアの端末とSIMフリー端末にほとんど違いがないように見えるが、個々の端末をみると違いも浮かびあがった。

通信キャリア端末の横幅分布では、8cm以上のものは2014年度下期を最後に発売されておらず、2016年度上期に限っては6cm台の新製品も消滅し7cm台のみとなった。一方、SIMフリースマホでは2015年度下期に発売されたプラスワン・マーケティング「FREETEL SAMURAI 極(KIWAMI)」の横幅は8.29cm、一方で2016年度上期発売のシャープ「AQUOS mini SH-M03」の横幅は6.6cmだ。通信キャリアの端末スペックが集約化するなか、SIMフリー端末の方がまだ多様性を維持していると言えるだろう。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて8月26日に公開された記事となります。
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