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一段と強まる値下げ圧力!他社向け通話定額サービス導入の波紋

 2011年に入り早くも通話料金競争が激化する兆しを見せている。昨年12月、ウィルコム他社携帯・固定宛の通話がオプション契約の月額980円で定額となる「だれとでも定額」を導入し話題を集めたが、今度はイー・モバイルが毎月の基本料と別に月1,820円の追加料金を支払えば、同様に他社の携帯電話や固定電話への国内通話も無料となるキャンペーンを展開する。 

 これは、「通話定額キャンペーン」という名称で1月14日~3月末まで展開する。通話料金が無料となるのは、1回当たり10分以内の通話が対象で、通話回数は月500回まで。10分超過や501回目以降は一律30秒18・9円の通話料がかかる。通話定額の適用期間は最長25カ月。

 スマートフォンの基本料は、2年の継続利用を前提とした場合で月4,5800円や月580~4,980円など。通話定額を適用した場合は月6,400円または月2,400~6,800円となる。

 一方、先行するウィルコムの「だれとでも定額」は、500回を超えた通話については30秒毎に21円の料金が設定されている。10分を超える通話については、各料金プランに順次した通話料がかかる。

 また、音声通話向け料金プラン新ウィルコム定額プラン(月額2,900円)、新ウィルコム定額プランS(月額1,450円)と組み合わせて利用するようになっており、基本的にはW-SIMカード対応機種向けに提供されている。

 対象端末などの差はあるものの、きしくも昨年12月に総務省が接続料の算出根拠を開示させる方針を決めたという報道が流されたばかりで、他社向け回線料金引き下げの圧力が強まりつつある。

 携帯各社は自社の携帯端末同士の通話を無料にするサービスは、既に展開済みだが、接続料を支払わないといけない他社の端末や固定電話との通話料は高く据え置いたままとなっている。そうしたなか唯一、通話料金見直しに前向きだったのがイー・モバイルだったされる。

 これによってイー・モバイルやウィルコムが加入者増加にどのくらい寄与するのか、その結果次第で大手3社も収益源である他社回線向け定額サービスへ踏み切らざるを得なくなると見られる。