グラフで比較するキャリア決算(1):

各社の「契約純増数」と「解約率」を整理する

通信キャリア3社の2019年4~6月期決算が出揃った。今回から3社の主要数値を比較していきたい。まずは契約数と解約率の動向を見ていく。

四半期単位でKDDIが久々に100万を超える契約純増数を記録

2019年6月末時点における各社の累計契約数は、NTTドコモが7889.6万(19年3月末比44.3万増)、KDDIが5636.8万(同114.3万増)、ソフトバンクが4477.2万(同23.6万増)となった。四半期単位で純増数が100万を超えたのは18年1~3月期以来となる。

純増数の中身にも踏み込んでみよう。

まずNTTドコモは、純増数のうち通信モジュール(FOMAとLTEの合計)が43.0万増で、実態としてモジュール以外は横ばいにとどまったと言える。

KDDIは四半期ベースでの通信モジュール(IoT累計回線)数を開示していないものの、同社は2019年度に200万増を計画していることから、一定の割合で純増に寄与したとみてよさそうだ。au契約者数も、今期は3.8万減で、前年同期の6.5万減に比べて勢いが収まっており、契約者数に下げ止まり感が出ている。

ソフトバンクは、通信モジュール等の純増数は3.9万で、スマートフォンなどが含まれる「主要回線」(26.9万増)が純増の柱となった。なお、同社の契約数値は、2018年度から「LINEモバイル」ブランドの数字も含まれている点には注意が必要だ。

一方の解約率は、NTTドコモの0.45%(ハンドセット)を筆頭に、各社とも低位で安定した状況が続いている。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて8月16日に公開された記事となります。
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