グラフで比較するキャリア決算(1):

通信モジュール契約の獲得で勢いに差が出た「契約純増数」

通信キャリア3社の決算が2月7日までに出揃った。今回から「グラフで比較するキャリア決算」と題し、主要数値ごとに3社の状況を比べてみたい。1回目は通信契約の純増数に焦点をあてる。

2017年12月末時点における各社の累計契約数は、NTTドコモが7567.8万契約(10月末から31.7万増)、KDDIが5033.6万契約(同67.1万増)、ソフトバンクが4247.7万契約(同29.3万増)となった。

純増数の推移からは、ソフトバンクの回復基調が顕著といえる。2017年4~6月期までは減少が続いていたが、ここ2四半期は増加を維持している。10~12月期の純増に大きく貢献したのは、モジュールやみまもりケータイ、プリペイド式携帯などの動きを示す「通信モジュール等」で、26.8万増を記録した。通信モジュール等が四半期ベースで増加に転じたのは約2年ぶりのこと。なお、PHSは今期も18.8万減となっている。

一方、通信モジュールの純増ペースに陰りが見えるのがNTTドコモだ。2016年度は129.6万増を記録したが、2017年度は12月末までの9ヶ月間で13.8万増にとどまっている。KDDIは通信モジュールの動向を決算で開示していないが、スマートメーターなどで安定的に契約数を積み上げているものとみられる。

通信モジュールなどの動きを除いた動向をみると、10~12月期は各社とも25万前後の増加でほぼ横並びという結果になった。

KDDIは解約率の抑制と「UQ mobile」の活用で純増ペースの緩やかな回復が続いている。ソフトバンクはスマートフォン契約が112.8万増(従来型携帯電話からの機種変更、「Y!mobile」契約を含む)と底堅く、「おうちのでんわ」(7.7万増)も純増に寄与している。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて8月7日に公開された記事となります。
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