通信キャリア3社の決算が5月9日までに出揃った。今回から、3社の主要数値の動きを比較していきたい。1回目は通信契約数の増減を取り上げる。
2018年3月末時点における各社の累計契約数は、NTTドコモが7637.0万契約(17年12月末比69.2万増)、KDDIが5228.3万契約(同164.5万増)、ソフトバンクが4265.0万契約(同17.3万増)となった。
ソフトバンクの数値には、2020年7月末にテレメタリング向け以外のサービスを終了すると公表し減少が続いているPHSの動きも含まれており、その影響を除外した契約数は4005.2万契約(同36.4万増)となった。
今期の動向で特筆すべきはKDDIだろう。これまで四半期毎に60万程度の純増傾向を維持してきたが、この半年は純増ペースが急加速し、1~3月期は164.5万増を記録した。とはいえ、個人向け契約者数を示す「au契約者数」は1~3月期に4.6万の減少で、契約数押し上げの要因とは言いにくい。具体的な数値が開示されていないため断言できないが、通信モジュール等の伸びに支えられているのが実態とみられる。なお、急加速の背景には、17年10~12月期から「IoT機器等の普及に伴い、社内でのカウント方法を変更」(KDDI広報)したことも指摘したい。
対照的なのがNTTドコモで、通信モジュールについては「今年度はスマートメーター需要が一巡した」(NTTドコモ 吉澤社長)影響で伸び悩んでおり、1~3月期の純増全体に占める通信モジュールの割合は16%程度にとどまっている。ソフトバンクは、主要回線が17.9万増、通信モジュール等が18.5万増で拮抗している。
なお、通信モジュールなどの動きを除いた動向をみると、さきほどとは様相が大きく異なり、NTTドコモが58.1万増でトップとなった。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて5月18日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
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