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増え続ける移動通信サービスに対する苦情・相談、4年で1.7倍に

今年5月に衆参両院を通過した「電気通信事業法等の一部を改正する法律」に盛り込まれている初期契約解除制度。本誌でも既報の通り、携帯電話の契約から8日以内であれば通信契約の解約ができる、いわば携帯版クーリングオフ制度ともいえるものだが、導入の背景には消費者からの苦情が増え続けている実態がある。そこで、苦情・相談の現状を取りまとめたい。

移動通信サービスに係わる苦情・相談件数の推移(出典:国民生活センターの消費生活相談データベース「PIO-NET」を元にMCA作成)

上のグラフは、国民生活センターと全国の消費者センター等に寄せられる苦情・相談を取りまとめた消費生活相談データベース「PIO-NET」における、移動通信サービスに対する苦情・相談件数の推移である。

移動通信サービスに係わる苦情・相談件数は増加の一途で、2014年度は2010年度比で74%増となっている。PIO-NETに寄せられる苦情・相談の総件数も、2010年度が89万6997件、2014年度は95万4591件と伸びてはいるものの、その伸び率は6%程度にとどまっており、移動通信サービスに対する苦情・相談の伸びが顕著であることが見て取れる。

国民生活センターのウェブサイトでは、スマートフォンに関連する最近の相談事例が掲載されており「スマートフォンの機種変更をした際、『キャンペーンで無料』と渡されたタブレット端末が、2年目以降有料となる契約だった」「スマートフォンの契約に出向いた時に、『バックアップやアップデートに、Wi-Fiルーターが必要』と言われ仕方なく契約した。同じ通信キャリアの他の店舗で確認したところ、不要とわかり、解約を申し出たら解約手数料1万円を請求された」など、販売現場の実情がうかがえる内容も取り上げられている。

昨年12月には、携帯電話の販売代理店による業界団体、一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会が設立され、販売に関するトラブルを防ぐべく消費者の苦情・相談事例の収集・分析や対策の検討が始まるなど、新たな取り組みも動き出した。初期契約解除制度も含めた施策により、今後、苦情・相談が減少するよう期待したい。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて7月3日に公開された記事となります。
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