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「5G Tokyo Bay Summit 2015」参加で見えたもの

NTTドコモが2015年7月に開催した「5G Tokyo Bay Summit 2015」。講演内容や展示の詳細は既に多くのメディアが取り上げていますが、ここではサミットに参加した印象などを取りまとめてみたいと思います。

通信以外の業界にも波及する見込みの5G
研究開発に苦労も、ベンダ含め各社が期待寄せる

各講演は20~30分と非常に短いものでしたが、矢継ぎ早に講演が進み、非常に盛りだくさんの内容でした。特に国内ベンダの講演では、通信業界はもとより、その他の業界も含めた中での5Gの研究開発が進められているようです。まだ、標準化がなされていない中での研究開発に各社とも苦労している印象でした。

表:通信方式における世代ごとの違い
世代コア技術パターン備考
3GW-CDMA方式技術ありきユースケースやビジネスモデルは後付け
4GOFDMA方式技術ありきユースケースやビジネスモデルは後付け
5G未定ニーズありきユースケースやビジネスモデルが先行
(出典:講演内容等をもとにMCA作成)

4Gの際は通信業界内の出来事に終始していたものが、5GではIoTを踏まえ、通信モジュールを盛り込んだ自動車やヘルスケアなどの業界にも波及する見込みです。もちろん、現在の4Gにも、M2Mといった機器間通信は存在しますが、5Gでは通信技術が高度化することもあり、他業界でも5Gにかける期待が大きいようです。

現在は5Gに革新的な通信技術がないにも関わらず、猫も杓子も5Gと呼んでいるようです。一昔前のキャリア各社のCMでは極力、技術用語の利用を避けて展開していたような印象がありました。しかし、現在ではLTEであったり、CAであったり、CMにも頻繁に技術用語が登場します。裏を返せば、それだけ、携帯電話サービスが世の中に浸透してきたことの裏返しなのでしょう。

最後に、NTTドコモでは2016年もSummit開催を検討しているようですが、次回はぜひ、都心で開催してもらえれば、今回よりも多くの来場者が見込め、5Gの何たるかを広めることに寄与すると思いました。また、会場では日頃、お世話になっているベンダ各社の皆さんにも会え、5Gへの期待感が伝わってきました。

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