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導入からまもなく1年を迎える「光コラボ」の動きを振り返る

今年4月に全面解禁される電力小売自由化。今月12日にソフトバンクが「ソフトバンクでんき」の詳細を発表(関連記事)、19日にはKDDIも「auでんき」の内容を明らかにする予定だ。

そこで今回は、携帯電話とのセット割引で先行している光回線の状況について、約1年前に導入されたコラボ光の契約数から振り返ってみたい。

NTT公表数値をもとにMCA作成

2015年9月末時点におけるコラボ光の契約数は234.8万回線だった。サービス開始から約半年でフレッツ光全体に占める割合は12.3%に達した計算だ。コラボ光の進展は今のところ「東高西低」の状態にある。NTT西日本は、他社と激しい競争にあったため2015年春商戦では従来の直販型販売に注力したため、8.3%にとどまっている。一方、NTT東日本は導入当初からコラボ光に重点を置き15.6%まで割合を高めた。

好調な立ち上がりを支えているのが携帯キャリアにおける販売にある。NTTドコモとソフトバンクが光コラボ事業者としてサービスを開始したのは昨年3月からだが、「ドコモ光」は昨年12月21日に100万契約を突破、「SoftBank光」も昨年12月末時点で累計122万契約に達した(ただし「SoftBank Air」の契約数を含む)と公表している。

今のところ既存のフレッツ光利用者が契約手続きだけでコラボ光に乗り換える「転用」が中心のため、フレッツ光全体の契約数増加ペースはコラボ光の開始前後で大きな変化はみられない。ただし、NTTの鵜浦社長は昨年11月の決算発表会見で「ライトユーザー向けの、新規販売しやすいプランを(卸事業者に対し)年明けにも投入する」と述べており、その内容によっては今後新規獲得が広がる可能性もある。

電力会社の切り替えは、スマートメーター未設置の家庭で電気メーターの交換が発生する場合はあるが、電線を新たに引くような大がかりな工事は基本的に不要で、フレッツ光の転用に近い制度設計だ。コラボ光同様、電力小売り自由化でも携帯キャリアがメインプレイヤーの一角を占めることになるのだろうか。契約数7500万超、年間7.5兆円とも言われる低圧区分の電力市場がいよいよ開放される。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて1月15日に公開された記事となります。
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