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5つの要素を想定したNokiaのIoTプラットフォーム「IMPACT」

Nokiaが2016年8月25日に、IoT事業に関する記者説明会として、Nokiaが描くIoT時代の在り方や日本市場における今後の展開について、説明を行った。その模様を取り上げる特集の2回目となる今回は、同社のIoTプラットフォーム「IMPACT」について取り上げたい。

NokiaのIoTプラットフォーム、IMPACTとは?

NokiaのIoTプラットフォーム「IMPACT(Intelligent Management Platform for All Connected Things)」の説明を行ったのは、テクノロジー統括部長の柳橋達也氏だ。

同氏はまず、現在のM2MやIoTを実現する仕組みと課題について、単一のデバイスのみがつながる垂直指向(業種ごと)のサービスモデルをあげ、コストがかかる上、水平方向(異業種)でのデータの受け流しが困難だという。また、デバイスをネットワークに接続することにのみ主眼を置いている点に対し、データ自体に付加価値を与えることで解決を図るとした。

これからのM2M/IoTを実現する仕組みについて、Nokiaは、(1)単一データを複数アプリケーションで活用する横断的サービス、(2)データ解析と解析結果に基づくフィードバックによるサービスを提案する。横断的サービスはデータの共有化を図ることが重要とし、フィードバックによるサービスでは、IoTプラットフォーム側でアナリティクスやディープラーニング機能を付加する。

その結果、IoTプラットフォームの仕組みが必要となり、NokiaはIMPACTを提供する。IMPACTには、5つの要素を想定し、(1)接続管理(CMP、通信サービスやSIMの管理)、(2)デバイス管理、(3)データ収集及び処理、(4)アプリイネーブルメント(アプリの開発・実行環境)、(5)セキュリティをあげている。

5つの要素を共通的に提供することで多種多様なデバイスをつなぎ、業種や用途の異なるアプリを、その上で稼働させるとのこと。なお、他社はCMPとアプリイネーブルメントがIoTプラットフォームと定義することが多いという。なお、IMPACTの価格体系に関しては、Nokiaも検討を重ねており、デバイス数に応じたライセンスといった課金体系などが検討されているそうだ。

図:IMPACTソリューション概要
出典:ノキアソリューションズ&ネットワークス「IoT事業戦略説明会」資料
 
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて9月9日に公開された記事となります。
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詳報:Nokia開催のIoT事業に関する記者説明会
  1. Nokiaが考える「IoT成功のポイント」とは
  2. 5つの要素を想定したNokiaのIoTプラットフォーム「IMPACT」
  3. Nokiaが説明会で取り上げた、IoT「3つの海外導入事例」
  4. 参考資料:携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2016年版

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