週刊モバイルビジネス通信(3/24~3/31):

LPWA実証実験相次ぐ水道スマートメーター、普及に向け整理したい「電力との違い」

1週間のモバイル関連ニュースを振り返る「週刊モバイルビジネス通信」。今週は、水道やガスのメーター大手、アズビル金門が30日に発表した2つのリリースに注目したい。いずれも検針を自動化するスマートメーターに関するものだ。

1つは、第一環境、KDDI、京セラコミュニケーションシステムとともに「SIGFOX自動検針コンソーシアム」を立ち上げ、水道自動検針システムの導入・実用に向けた準備を姫路市水道局協力のもと着手するという。実施は市内島しょ部で、今後はガス検針自動化もあわせて取り組む予定だ。

もう1つは、日本IBM、グリーンハウス、セムテック・ジャパン、東京エレクトロンデバイス、Braveridge、菱電商事とともにLoRaWAN実証実験を17年4月から7月に福岡市で実施するという。都市ガスメータ、LPガスメータ、水道メータからのデータ収集を実施。河川水位モニター、大気モニタリングの検証や「スマートゴミ箱」活用実証なども予定されている。

LPWA規格が乱立するなか、主要2規格の実証実験を同時期に開始することで、ネットワークの特性等を検証するものとみられる。

スマートメーターで先行した電力を追うかたちだが、電力と水道では大きな違いがある。それは事業者数だ。電力に関しては、電力自由化後も送配電網を運営するのは電力会社のため、スマートメーターを設置するのは全国10社に限られる。

一方、水道は市町村単位での運営が基本となっており、総務省「地方公営企業年鑑」によれば事業者は2016年3月末時点で2081にのぼる(簡易水道事業者を含む)。地域特性にあわせたきめ細かな営業体制が必要となりそうだ。各事業者がどの規格を採用するのか、陣取り合戦は始まったばかりだ。

【今週号の目次】
週間ニュースダイジェスト
3/24(Fri)
  • 西日本電信電話とNTTグループエヌ・ティ・ティ ネオメイト、ドローンを用いた太陽光パネル点検ソリューションの提供を開始。15万円から。ドローンとサーモカメラの空撮から異常個所を発見する。太陽光パネル点検が厳格化される法改正の17年4月施行でドローンの活用ニーズが高まるとみている。NTT西がネットワークサービスを提供、NTTネオメイトがデータ取得・分析を担う。
    - https://www.ntt-west.co.jp/news/1703/170324a.html
  • 日本郵便と本田技研工業が配達用二輪車など配達インフラ整備に向けた協業の検討を開始し覚書を締結したと23日に発表。配達時の電動二輪車等導入および郵便局への充電ステーション導入の実証実験が中心。またスマホ・タブ端末の位置情報を活用した業務効率化を目指し、ホンダのテレマティクスサービス「Honda Biz LINC」の活用実験も実施予定。
    - http://www.honda.co.jp/news/2017/c170323.html
3/27(Mon)
  • トヨタ自動車と日本電信電話、コネクティッドカー分野での技術開発・技術検証及び標準化を目的とした協議の実施で合意と発表。トヨタの自動車技術とNTTグループ各社のICT技術を共有しコネクティッドカー向けICT基盤の研究を行う。対象分野はビッグデータ収集分析、グローバルのネットワーク及びデータセンタ、自動車向け5G規格標準化、AIエージェントなど。2018年に実証実験を予定。
    - http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/15921641/
  • NTTレゾナントが「gooのスマホ」第7弾「g07」のバージョンアップ版「g07+(グーマルナナプラス)」の発売を開始。DSDS機能を強化、CDMA2000規格に対応しauの3Gが利用可能に。ただしauのLTE、VoLTEには非対応。直販サイトを中心に予約受付を開始し発送は4月中旬以降。量販店舗でも4月中旬以降に端末販売開始予定。製造はコヴィアが手掛ける。
    - http://pr.goo.ne.jp/goo/2017/20083/
  • ビッグローブ、MVNO「BIGLOBE SIM」の「エンタメフリー・オプション」の対象に「AWA」を追加。同オプションは6GB以上のプラン契約者向けで、対象サービスの動画・音楽利用時の通信量がカウント外となるもの。YouTube、AbemaTV、Spotify、Google Play Music、Apple MusicにAWAが加わった。オプション料金は、音声SIM480円、データSIM980円。
    - http://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2017/03/170327-1
  • MMD研究所が「2017年3月格安SIMサービスの満足度調査」結果を発表。総合満足度1位は「mineo」。
    - https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1639.html
  • VAIO、Android6搭載のSIMフリースマホ「VAIO Phone A」の受注を13時より開始。当初の30日から前倒し。
    - http://vaio.com/news/pdfdata/pr46.pdf
  • エキサイト、MVNO「エキサイトモバイル」でオンキヨー&パイオニアイノベーションズのSIMフリースマホ「GRANBEAT」の取扱を開始。
    - https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000571.000001346.html
  • MOVIMAS、法人のIoT専用モバイル回線として月額利用料0円(ユニバーサルサービス料別途)のSIM提供を開始。当初よりセンサーデータのやりとりに問題ないレベルで速度制限をかけ、データ量が一定を超過すると更なる速度制限をかけることで、基本料や月額利用料を無料化。同社提供の通信端末とアプリケーションサービスの利用が契約条件。
    - https://movimas.jp/20170327/
3/28(Tue)
  • ケイ・オプティコム、MVNO「mineo」でネットワーク混雑状況を表示する「ネットワークお天気情報」を30日より公開すると発表。キャリアとの接続部分(POI)の混雑度合いを快晴から大雨の5段階の天気イメージを使い1時間単位で表示。天気予報(混雑予測)も掲載。
    - https://king.mineo.jp/magazines/special/556
  • 総務省・経済産業省が「平成28年情報通信業基本調査」結果を発表。平成27年度の情報通信業に係る売上高は48兆504億円で前年度比3.3%増。インターネット付随サービス業が17%の大幅増、電気通信業は2.2%減。
    - http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000107.html
  • ビジョン、ウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」のレンタルサービスを4月30日より開始と発表。同社「グローバルWiFi」の利用経験者で、4月30日から5月末までにグローバルWiFiを予約した人が対象で、先着1000名に限定。レンタル価格は1日定価1200円だが年内は800円。日本語から英語・中国語(北京語)に翻訳可。正式提供は6月以降に。アンケート回答者の利用料を無料にするキャンペーンも開催。
    - https://www.vision-net.co.jp/news/20170328001376.html
  • 「FREETEL」展開のプラスワン・マーケティング、総務省の官民ファンド 海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)の支援対象事業として認可を受けたと発表。MVNO及び端末をパッケージで提供するモバイル通信事業を日本以外で展開する同社100%子会社のプラスワン・グローバルに対し、12億円の出資と最大3億円の融資へ。JICTと民間企業をあわせ新たに30億円の資金を調達。資本金は95億5450万円に。
    - https://blg.freetel.jp/news/18821.html
  • 総務省、情報通信審議会から「固定電話網の円滑な移行の在り方」一次答申を受けたと発表。今後はIP網への移行工程やスケジュールの検討を行い、今年夏~秋を目途に二次答申を予定。
    - http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban02_02000216.html
3/29(Wed)
  • NTTドコモとフジテレビ、放送関連業務における5G技術活用の共同実験協力で合意。東京臨海副都心地区に構築予定の「5Gトライアルサイト」で、5Gの低遅延を活かした放送機器遠隔制御などの実験を17年6月以降に実施。既に2月28日にはトライアルサイト構築に向けた準備として28GHz帯を利用した無線データ伝送実験を実施し10Gbps超の伝送に成功。今後17年度下期までに一般ユーザーが体感できるサイトを構築予定。
    - https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/notice/2017/03/29_01.html
  • ケイ・オプティコム、電動バイク事業を手掛けるE・ミニモと新たな価値創造に向けた共同検討を開始。電動バイクに情報通信技術を活用、盗難リスクの抑制、レンタル車両としての活用、配送ルート最適化などをにらむ。
    - http://www.k-opti.com/press/2017/press18.html
  • NECネッツエスアイ、IoT向けグローバルモバイル回線サービス「ネッツワイヤレス グローバル」の販売を4月より開始と発表。世界79カ国のキャリア網に1枚のSIMで対応できるグローバルSIMを用い、10MBで月額300円より提供(超過時は従量課金)。17年度上期中にインターネットを介さない完全閉域網への接続にも対応。17年末には約100カ国に拡大予定。
    - http://www.nesic.co.jp/news/2017/20170329.html
3/30(Thu)
  • ワイモバイル、SIM単体契約者向けのオプション「故障安心パックライト」(月額500円)を4月11日より提供と発表。契約中のSIMを挿して使用していたスマートフォンが破損・故障した際、ワイモバイルが販売中の新品端末に取り替え可能に。費用はSIM契約期間と機種により7500円~15000円、取り替え手続はワイモバイルショップで受付。
    - http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2017/20170330_03/
  • SIGFOX自動検針コンソーシアム、SIGFOXを活用した水道自動検針システムの導入・実用に向けた準備を姫路市水道局協力のもと着手へ。検針のため現地に出向くことが負荷となる市内島しょ部で実施。今後はガス検針自動化もあわせて取り組む予定。コンソーシアムに参加するのは、第一環境、アズビル金門、KDDI、京セラコミュニケーションシステムの4社。
    - http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2017/03/30/2379.html
  • 日本IBMなど7社、LoRaWAN実証実験を17年4月から7月に福岡市で実施。福岡市西区にあるBraveridge社を拠点にネットワークを構築し、都市ガスメータ、LPガスメータ、水道メータからのデータ収集を実施。河川水位モニター、大気モニタリングの検証や「スマートゴミ箱」活用実証なども予定。17年度には市内広域にLoRaネットワークを構築し誰もが利用可能な実証環境の整備も計画。7社は他にアズビル金門、グリーンハウス、セムテック・ジャパン、東京エレクトロンデバイス、Braveridge、菱電商事。
    - https://www-03.ibm.com/press/jp/ja/pressrelease/51963.wss
  • ソフトバンク、接続に必要な情報を遠隔で書き込み・切り替えできる「eSIMプラットフォーム」の開発を発表。IoT製品・M2M機器だけでなく、タブレットやウエアラブル端末に搭載されたeSIMも対象。運用開始は2017年中を予定。
    - http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2017/20170330_04/
  • サムスン電子、ニューヨークで開催した「Galaxy 2017 Unpacked」で新型スマホ「Galaxy S8」(5.8インチ)と「Galaxy S8+」(6.2インチ)を発表。ディスプレイのアスペクト比は18.5:9と縦長で、物理ホームボタンを初めて廃止。4月17日より発売予定。あわせて360度カメラ「Gear 360」の新モデルを発表。
    - http://www.samsung.com/jp/home/
  • インターネットイニシアティブ、個人向けにSIMフリー端末を販売する「IIJmioサプライサービス」に「Moto G5 Plus」「VAIO Phone A」の2機種を追加。4月7日より。音声機能付きSIM購入者向けキャンペーンも開催へ。
    - http://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2017/0330.html
  • ソニーネットワークコミュニケーションズ、MVNO「nuroモバイル」でNTTドコモの顧客システムとオンライン連携を30日より開始。開通手続・登録作業時間を短縮。今後は同社がMVNEとして提供する事業者にも機能を提供予定。
    - http://www.sonynetwork.co.jp/corporation/release/2017/pub20170330_0017.html
  • 近鉄ケーブルネットワーク、加入者向けMVNO「KCNモバイルサービス」にKDDI回線利用の「タイプa」を追加。国内5分かけ放題も提供。
    - http://www.kcn.jp/notice/notice/_3106.html
3/31(Fri)
今週の注目記事
  • 格安スマホ封じ込めの切り札?日本でも「無制限プラン」復活か(ITpro
  • 本格展開を開始した「LINEモバイル」 嘉戸社長が語る"ユーザー目線"の戦略(ITmedia
  • 大手キャリアとの"差"を埋めた「楽天モバイル」の次なる一手(CNET Japan
  • フランスの新興メーカー「Wiko」の日本展開を聞く(ケータイWatch
  • 「スマホの重大事故を追跡する」、登録修理協議会がDB運用開始へ(ITpro
  • 三菱重工がシステム子会社をNTTデータに実質売却、「注力するIT領域を明確に」(ITpro
  • 内閣府、沖縄で日本初のバス自動走行システムを実証実験--事故の低減、地域活性化へ(CNET Japan
  • Spotify参入で定額制サービスに混戦の兆し、利用率は増加(ケータイWatch
  • サムスン、回収した「Galaxy Note7」の再リリース計画を発表(CNET Japan
  • ソフトバンクが"孫社長流プレゼン手法"販売 社員が外部企業に出向きノウハウ指導(SankeiBiz
  • ツイッター、年齢制限を17歳以上に アイフォーン向け 「アプリが消えた」の声も(SankeiBiz
  • 中国配車アプリの滴滴出行、ソフトバンクから60億ドル調達を検討(SankeiBiz
  • テスラ、中国Tencentが5%出資--「Model 3」投入に向け(CNET Japan
  • 業界団体設立で拡大に期待がかかる中古携帯端末市場の現状(モバイルビジネス通信
通信キャリア 今週の主な報道発表
3/27(Mon)
  • 東京臨海ホールディングスおよびソフトバンク、国内外の来訪者向け「東京お台場FreeWiFi」のエリアを拡大。お台場SKYツーリストインフォメーション、国土交通省 そなエリア東京(東京臨海広域防災公園)、BMW GROUP Tokyo Bay、パナソニックセンター東京に新設され、計51エリアに。(ソフトバンク
3/28(Tue)
  • KDDI、日常生活における住まいトラブルにかけつける「おうちトラブルサポート」をauひかりホーム(au one net)のオプションとして4月18日より提供へ。既にauひかりマンション向けに提供しており、対象を拡大。(KDDI
  • NTTドコモが「全国子どもの貧困・教育支援団体協議会」所属の26団体に、計500台のタブレット端末を3月30日に寄贈し子供の貧困問題に取り組むと発表。NPOと企業をマッチングさせる内閣府「子供の未来応援マッチングネットワーク推進協議会」の仕組みを活用。(NTTドコモ
  • NTTコム、Software Defined(SD)技術を活用した「SDx+M」ソリューションの本格提供を開始(NTTコミュニケーションズ
3/29(Wed)
  • 宅配便再配達防止プロジェクトの一環として日本郵便が行うキャンペーンで、対象者に「dポイント」を1回につき最大50ポイント付与(NTTドコモ
  • ソフトバンクグループのOpenStreetとソフトバンクが共同提供するIoT活用型自転車シェアリングシステム「HELLO CYCLING」を栃木県小山市が採用。4月1日より「らくーる」ブランドで提供開始(ソフトバンク
  • 1TBのデータ保存が可能なストレージ「Qua station」、4月7日より発売開始(KDDI
  • 「auおもいでケータイグランプリ」最終結果を発表(KDDI
3/30(Thu)
  • NTTドコモの「dポイント」取扱店舗が4月1日以降拡大。全店舗対応となるのはスポタカ 2店舗、福井県アンテナショップ 2店舗、ORIHICA 145店舗。DAIICHI-ENGEIは17店舗中4店舗で対応。「dケータイ払いプラス」加盟店にユナイテッドアローズと第一園芸のオンラインショップが追加。(NTTドコモ
  • ソフトバンクとワイモバイル、未成年者の契約時に必要な「法定代理人同意書兼支払名義人同意書」をウェブ上で作成できる「どこでも同意書」を2017年4月上旬以降より開始(ソフトバンク
  • ソフトバンク、IoT製品開発企業と消費者をつなげるプラットフォーム「+Style」で、Electric Imp社のIoT開発キット「IoT QuickStart Family」から2製品を4月下旬以降に販売。国内での同製品の正式販売は初(ソフトバンク
3/31(Fri)
  • トラストバンクが運営するふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で4月1日から「auかんたん決済」が利用可能に。4月14日からは抽選でWALLET ポイント 1000ポイントがもらえるキャンペーンも開催。(KDDI
  • KDDI、第4期環境保全計画「KDDI GREEN PLAN 2017-2030」を策定(KDDI
  • 東京大学先端科学技術研究センター、ソフトバンク、エデュアス、16年4月から取り組んだ障がい児1の学習・生活支援を行う事例研究プロジェクト「魔法のプロジェクト2016 ~魔法の種~」の成果をまとめた携帯情報端末活用事例報告書を作成(ソフトバンク
週刊モバイルビジネス通信