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割引を組み替え「全部コミ月1480円」を実現した楽天モバイル、月980円にも踏み込む

楽天は14日、MVNO「楽天モバイル」の発表会を開催し、主力の料金プラン「スーパーホーダイ」のサービス内容を拡充すると発表した。

主力プラン「スーパーホーダイ」を拡充、その中身は
楽天 執行役員 楽天モバイル事業 大尾嘉 宏人 氏

スーパーホーダイは、国内通話5分かけ放題と高速データ通信がセットになったプラン。音声付きSIM新規契約者の約7割に選ばれるほどの人気となっており、同社では「高速通信容量を使い切っても最大1Mbpsで使い放題」「最低利用期間経過後は解除料不要で解約可能」「毎月の高速通信容量が3年目以降も不変」の3点が主な理由と見ている。

今回の拡充では、高速通信容量14GBの「プランL」を上回る24GBの「プランLL」を新設した。料金面では、3年契約の場合は2年間1480円で利用可能とし、割引期間が当初1年間に限られる競合のワイモバイルやUQ mobileより長期である点を強調した。当初契約期間内の解約時に発生する契約解除料は、これまで契約期間と解除までの利用期間によって変動していたが、一律9800円に統一される。

拡充したプランが適用されるのは、オンラインでは14日20時以降、店頭では15日以降に申し込みを行った顧客に限られる。

なお、これまで国内通話は5分かけ放題だったが、7月1日からは10分までかけ放題の適用範囲を拡大する。本件については、既存顧客に対しても自動的に適用される。

割引を組み替えて月1480円を実現、楽天のヘビーユーザーなら月980円に

発表会の席上、楽天の大尾嘉氏が「人気プランを最強プランに」と語った新プランだが、サブブランド2社がこぞって月1480円を打ち出す中で同等価格を実現させ競争力を取り戻すのが狙いとみられる。

スーパーホーダイの従来プランと拡充後のものを比較すると、最大2万円のキャッシュバックを月額最大1000円×24ヶ月の値引きに組み替えたことが分かるだろう。端末購入時の初期費用をキャッシュバックで補って端末代コミのサブブランドに対抗してきたが、戦いの場を月額料金に変えてきたといえる。

月1480円にするための条件は「無料の楽天会員になる」「3年契約をする」の2点のみ。光回線の契約なり家族割の設定なりが必須なワイモバイル、UQ mobileより間口を広げている。

実は、楽天モバイルでも以前から、楽天ダイヤモンド会員であれば1年目は月1480円で契約可能ではあった。とはいえ、ダイヤモンド会員になるためには、楽天カードを保有し楽天ポイントを半年間で30回以上、4000ポイント以上獲得する必要があり、一般的とは言い難い。新プランで、敷居はぐっと下がったといえる。

なお、新プランでは、楽天ダイヤモンド会員は1年目は月980円で利用可能となる。

来年開始予定の携帯キャリア事業に関しては明言避ける

発表会はあくまでMVNOである楽天モバイルに関する内容だったが、19年10月にも予定される携帯キャリア事業(MNO)への質問が記者から相次いだ。ただし、あまり多くは語られなかった。

将来的にMNOにマイグレーションされると言われる楽天モバイルが、この時期に3年縛りのプランを出しても問題ないのかとの質問に対し、大尾嘉氏は「MNO開始後も、MVNOの楽天モバイルをお使いいただける。楽天はMNOとして良質なネットワークを作っていくつもりで、楽天モバイルの顧客も最終的にはその良質なネットワークに移行してくれればいいなと思っている。今の楽天モバイルのお客さまについては、確実に不利になることはしないし、移行にはメリットがあるようにするので、安心して3年の長期プランに入っていただけたらなと思っている。」と応じた。

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