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活性化に期待が掛かる中古端末、流通量が増えない背景を探る

現在議論の俎上にのぼるレベルの「通信料金と端末の分離」が仮に導入されると、これまでの端末購入補助がなくなるため、端末価格が高騰し買い控えが起きるのではないかとみられている。

その影響を抑えるために期待されているのが中古端末市場の活性化だ。しかし、中古端末として市場に出回る端末がなかなか増えない点がボトルネックになっている。今回はその背景を探ってみたい。

利用者の過半が使用済み端末を手放さずに保管

使い終わった端末の行方は、おおむね「自宅保管」「キャリアによる回収」「中古事業者やオークション等での売却」「廃棄処分」の4パターンに分けられる。

MCAでは、このうち「自宅保管」だけで半数強を占めていると推定している。中古市場へ出回らない最大の要因は、利用者の過半が使用済み端末を手放さないことにあると言える。

キャリアの有償下取りに潜む課題

一方、残る半数弱については、いったんは利用者の手を離れている。

この部分は中古端末としての流通が期待されるが、最大の引取先であるキャリア各社が回収した端末は、現在のところ基本的に国内の中古市場には出回っていない。

まず、キャリアが回収した端末の6割前後は再資源化(リサイクル)されるため、そもそも出回りようがない。

残りの4割前後は、主に有償下取りによって回収された、まだ価値のある端末だ。キャリア各社は「端末は事業者に売却しており、売却後の端末の行方については各事業者に任せている」としており、故意に国内還流を妨げていないと説明している。

しかしながら、関係者からの話を総合すると、各キャリアとも売却先事業者は数社程度に限られ、中にはほぼほぼ全量を1社に売却しているケースもあるという。このような関係性の中では、事業者がキャリアの意に反した処理、すなわち国内還流を行うことは難しいだろう。構造上の問題に対する監督官庁による検証も含め、公正な流通に向けたさらなる動きに期待したい。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて11月19日に公開された記事となります。
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