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「au WALLETポイント」との統合で注目される「Pontaポイント」、加盟店舗から見た実力

昨年12月16日に突如発表された「au WALLETポイント」と「Ponta」の統合で、通信キャリア各社のポイントサービス勢力図は大々的に塗り替えられそうだ。ポイントサービスについては当コーナーで先月取り上げたばかりだが、今回の発表を踏まえて改めて整理しておきたい。

自社運営から共通プログラムへと切り替えたKDDI

これまでKDDIは、auの携帯電話利用料金に応じて「au WALLETポイント」を付与してきたが、今年5月以降は「Pontaポイント」が付与される予定だ。

通信キャリア各社が付与するポイントを運営主体で区別すれば、共通ポイントプログラムを採用するKDDIとソフトバンク、自社で運営するNTTドコモと楽天に二分される。

Pontaポイントを含めた、通信キャリア各社のポイントサービスならびに主な加盟店舗は上記の通りだ。Pontaポイントの加盟店には、ポイントプログラムの運営を担うロイヤリティ マーケティングに出資するローソンやゲオホールディングスのグループ店舗が軒を連ねているのが特徴的だ。同社によれば、提携は127社・184ブランドに上るという。

QRコード決済とポイントの連携で次の一手が注目されるソフトバンク

今回の発表では、ポイントプログラムだけでなく、QRコード決済の「au PAY」とPontaポイントも融合されることが公表されている。貯まったポイントをQRコード決済で消費できる環境は、既にNTTドコモと楽天が導入しており、同社も追従するものとみられる。

仮に実現すれば、残るソフトバンクがどのような動きを見せるのかが注目点となる。現状では「PayPay」での支払いに「Tポイント」を使うことはできないため、解禁するのかが焦点となろう。

もっといえば、グループ挙げてPayPayを大々的にプッシュする中で、携帯電話利用料金に応じたポイント付与はTポイントのままというのはちぐはぐ感が否めない。ソフトバンクは既に「長期継続特典」などを、TポイントからPayPayに切り替え済だ。今後どのような対抗策を繰り出してくるのか、注目したい。

最後に余談を1つ。各ポイントプログラムには「ポイント交換」という枠組みがあり、貯めたポイントを他社サービスに移動させることができる。代表的な交換先には航空会社のマイレージが挙げられるが、実は現状、Pontaポイントとdポイントは相互に交換可能な状態となっている(今回取り上げた、4つのポイントサービス間では唯一の連携)。とはいえ、この状況が今後も維持されるかは微妙なところだろう。交換したいと考えている利用者は、早めに手続きしておいた方がよさそうだ。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて1月14日に公開された記事となります。
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