コロナ禍で通信キャリア各社が活用促す公式オンラインショップ、その利用実態は(1):

キャリア公式オンラインショップの利用率は11.6%、各社の利用比率に開きも

MCAは、国内通信キャリア各社の「公式オンラインショップ」に関する調査を実施し、その結果を調査レポート「キャリア公式オンラインショップ消費者実態調査 2020年上期」として発刊した。そこで今回から2回にわたり、同レポートから調査結果の概要を取り上げたい。

公式オンラインショップ利用率は11.6%、サブブランドは相対的に利用比率が高めに

「全体」の公式オンラインショップ利用比率は11.6%。「NTTドコモ」「au」「ソフトバンク」の利用比率を比較すると、NTTドコモだけが全体を上回っており12.5%と高い。一方auとソフトバンクは利用率が5~6%台と低く、公式オンラインショップの浸透率が低くなっている。

Y!mobileとUQ mobileの公式オンラインショップ利用率は15~18%台と高い。背景には、主要3ブランドに比べキャリアショップ数が少なく購入場所が限られていることや、SIMカード単体での申込が可能な点などがあるとみられる。

また、主要3ブランドの利用率推移を見ると、2019年下期時点で公式オンラインショップの利用率は6~16%となっており、現時点では圧倒的に公式オンラインショップ以外の利用率が高くなっている。

3ブランドの中で公式オンラインショップの利用率が最も高いNTTドコモは、コロナウイルス禍の現在もテレビCMによる公式オンラインショップへの誘導を他社に先駆け展開していることから今後も公式オンラインショップの利用率は増加するものと推察できる。auは2018年度以前は4.5%で、2019年上期は8.0%、下期は9.6%と増加傾向を示している。

3ブランド全体の「公式オンラインショップ」今後の利用率を考察すると、「公式オンラインショップユーザー」は公式オンラインショップへの満足度が高いことから今後の利用意欲度も高く、また「公式オンラインショップ以外ユーザー」も現在の公式オンラインショップの改善点や、要望、求めることが実現化した場合利用意欲度は向上するため、テレビCMによる公式オンラインショップへの誘導策を合わせると公式オンラインショップへの利用率は今後も増加するものと推察できる。

また、調査では、公式オンラインショップにおける契約手続きの91.0%が機種変更だったのに対し、それ以外の方法における同比率は70.9%と、現時点では機種変更を中心に利用されていることが分かった。

公式オンラインショップで購入した理由としては「24時間いつでも購入できる」「店舗に行く手間がかからないから」などが上位にあがった。一方、公式オンラインショップで購入しない理由としては「端末を触ることができない」「店員に相談できない」などが上位にあがった。

調査概要

公式オンラインショップ利用比率は、携帯電話・スマートフォンの利用者 12,882サンプルへのアンケートによる。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて6月10日に公開された記事となります。
最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。

メールニュース「Mobile News Letter」
最新コンテンツを週1回配信中

モバイル業界スナップショット