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楽天モバイルに足りないもの――基地局数と周波数から探る現在地

2026年9月末にKDDIからのローミング契約が縮小される楽天モバイル。何かと話題に事欠かない楽天モバイルであるが、基地局数や割り当てられた周波数の観点から、現時点での状況を説明する。

楽天モバイルの現在地
5Gについて、楽天モバイルはKDDI(au)やソフトバンクに比べ、大幅に基地局数が少ない。ただ、これらは転用5G(LTE周波数のNR化)を含めた数値であり、専用5Gの28GHz帯はKDDI(au)を上回っている。また、3.7GHz帯はKDDI(au)に大きな差をつけられているものの、NTTドコモとソフトバンクよりも多い。現在のところ、楽天モバイルは1.7G/700MHz帯で転用5Gを展開していないため、大手3社に大きく引き離されている。

一方、4Gは1.7GHz帯が楽天モバイルのメインバンドであり、大手3社を大きく引き離している。ちなみに他キャリアのメインバンドに関しては、NTTドコモが2.1G/800MHz帯、KDDI(au)は800MHz帯、ソフトバンクが900MHz帯といえる。また、700MHz帯(4G)は現在のところ、展開途上にあるため、KDDI(au)とNTTドコモに大きく引き離されている。

現状打開は転用5Gと700MHz帯の積極展開
果たして、楽天モバイルが現状を打開するには、どのような展開が求められるだろうか。5Gに関しては、転用5Gを積極的に展開する必要がある。現状、楽天モバイルは転用5G化が進んでいないが、後発キャリアであるため、導入されている無線機は比較的新しいものと考えられ、今後、一気に拡大する可能性がある。なお、1.7GHz帯による転用5Gは2028年度に29,800局が計画されているが、2024年度には動きがみられなかった。

4Gに関しては、すでに楽天モバイルのメインバンドである1.7GHz帯は67,132局を展開しており、これ以上の大幅な拡大は見込みにくい。一方、700MHz帯は27局に過ぎず、今後の拡大に期待がかかる。なお、楽天モバイルは2033年度に10,661局を計画しているが、他キャリアのプラチナバンド(800M/900MHz帯)の基地局数は60,000~85,000局規模であり、狭帯域(3MHz幅×2)であることが積極的な拡大に影響を及ぼしている可能性が高い。

楽天モバイルに足りないもの
さて、現在の楽天モバイルに足りないものとは何だろうか。総務省が発表している「移動通信システム用周波数の割当状況」をみると、4G向け周波数帯、特にプラチナバンドが他キャリアに比べて圧倒的に少ない。そのため、他キャリアがマルチバンドでエリア展開できるのに対し、楽天モバイルはほぼ1.7GHz帯のみでエリア展開しなければならない。

割り当てられたプラチナバンドの700MHz帯は狭帯域であり、他キャリアとの差は大きい。総務省は早々に対策を講じなければ、楽天モバイルが従来のように大手3社からプラチナバンドの一部を譲渡させるような提案をしかねず、総務省に残された時間は多くない。

図:移動通信システム用周波数の割当状況 ※出典:総務省「令和7年度 携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果について

また、今後、新たなプラチナバンドが割り当てられた場合、楽天モバイルは多額の設備投資が必要になる。700MHz帯を参考にすると、545億円の設備投資額で10,661局を展開する計画を立てているため、仮に最大60,000局と想定した場合、3,000億円規模の投資額が見込まれる。ただ、5年程度の全国展開と仮定した場合、年間600億円増の投資額で済む可能性もある。

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