今更ながらの2.5GHz周波数獲得を巡る各社の本音

 新たな無線通信技術として、2009年からの商用化が予定されているモバイルWiMAX。KDDIを中心として設立されたUQコミュニケーションズが事業展開を目指している。

 今更ながらだが、2.5GHz帯を巡る参入プレーヤー各社の動きから、本当にモバイルWiMAXで同周波数帯を欲しかったのかという印象を縫いきれずにいる。もっと言うと、本当に2.5GHz帯が欲しかったのだろうかということだ。

 周波数の獲得は、無線事業を手がけるプレーヤーにとっては、まさに死活問題である。しかし、今回の2.5GHz帯という周波数帯は決して使いやすいものではないはずだ。

 ましてや、これから携帯各社が3.9Gへと進化していくなかで、1からインフラを構築していって、対抗できるのか。もしかしたら第二のPHSのようになりやしないか。そんな懸念は持ったはずである。つまり、積極的に欲しいと思ったプレーヤーは一部で、その多くは他社に取られるくらいなら、もしくはその次の周波数帯を得るために今回は取りに行く振りをして、総務省に恩を売るという狙いもあったのはないかと推測する。

 特に2.5GHz帯の無線ブロードバンドでは、MVNOが義務化され、周波数を取得したところで、優位性が十分に担保されているわけではない。むしろ、インフラ構築費用などを考えると、投資戦略の分散化という事態も予想される。

 そういえば、PHSサービスも開始当初は、水平分離型の事業を目指していたが、携帯との激しい競争に巻き込まれ、いつしか同質化していった歴史がある。果たして、2.5GHz帯の獲得が吉とでるのか、その行方を注視していきたい。