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秋冬端末発表前に吹き荒れるiPhone/ipad旋風

 10月7日、TCAより9月末の携帯電話・PHSの事業者別契約数が発表された。

 同月の純増数は60万1,900で、そのうちの55%をソフトバンクモバイル(SBM)が獲得した。

 3月末の2Gサービス解約者増加に伴い一時的にトップをドコモに奪うも2010年度に入ってからは、他を全く寄せつけない強さを見せている。

 なかでも2010年度の状況は、これまでといくつの点で異なっている。具体的には以下のような点だ。

①市場は年々新規のパイが減少してきているにも関わらず、2010年度の半期純増数は322万と、前年同期の215万を大幅に上回っている。
②市場を牽引しているのはSBMで、同社だけで毎月20万以上の純増を獲得している。
③SBMの純増のうち、最近顕著なのがMNPで流れてくる顧客数が多い。ここ3ヶ月は7万/月以上。
④ドコモはその規模から以前よりMNPの流出超が続いているが、2010年度に入ってからはKDDIも同じ状況に陥っている。
⑤KDDIの純増の牽引役は、これまでEZWebを搭載したフィーチャーフォンだった。しかし、2010年度に入ってから同タイプの月純増数までマイナスに転じている。
⑥これまコンスタントに純増を獲得してきたイー・モバイルの月別純増数のペースがやや陰りが見える。

 つまり、市場ではSBMのiPhone/ipad旋風が吹き荒れており、ライバル各社はその影響をもろに受けている格好だ。

 下期から各社はスマートフォン/タブレット端末の一斉投入を計画しているが、強い防波堤やタイフーンとなれるか、秋冬端末の発表は間もなくだ。