ヤフーが新戦略、NTTドコモが新サービスを発表:

携帯3キャリアのECサービス、NTTドコモはセレクト型、KDDI・ソフトバンクはモール型で展開

NTTドコモは10月10日、ファッションECサイト「d fashion」を10月30日に開設すると発表した。今春株式公開買付けを実施し筆頭株主となったマガシークと共同運営するサイトで、洋服やアクセサリー、ファッション小物約4万点を取り揃える予定だ。

一方、ソフトバンクグループのヤフーは10月7日、「Yahoo!ショッピング」の出店料や売上ロイヤリティをはじめとした各種ECサービス手数料の無料化を発表。出店への敷居を下げて店舗数を増やし、2019年度までに国内EC流通総額首位を狙う計画で、発表からわずか1日で「Yahoo!ショッピング」の新規ストア出店希望数が通常の数百倍の約1万件、新たに受付が開始された個人の出店希望数も1万6,000件にものぼっているという。

各社が新サービス・新戦略の発表を行っているECサービスについて、携帯キャリアとの関係性という観点からまとめてみたい。

■NTTドコモは子会社を中心に出店企業を厳選、住友商事系の爽快ドラッグとも連携

NTTドコモのECサイトは「dマーケット」のコンテンツジャンルの1つとして位置づけられている「dショッピング」で、2012年12月に開設されている。

【NTTドコモのECサイト展開】
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dショッピングでは、住友商事の子会社である爽快ドラッグと組み、水・飲料などの食品、洗剤・シャンプーなどの日用品を取り扱っているほか、NTTドコモ子会社のオークローンマーケティングやらでぃっしゅぼーやの商品も取り揃えている。

ファッション分野についてはdショッピングとは別に「d fashion」を立ち上げ、NTTドコモ子会社のマガシークが洋服やアクセサリー、ファッション小物などを販売する。

今までに挙げた企業以外にも、NTTドコモは近年さまざまな分野で有力企業との提携や子会社化を進めている。例えば書籍・電子書籍分野では大日本印刷と合弁会社トゥ・ディファクトを設立しオンライン書店「honto」を運営。CD・DVD分野ではタワーレコードを子会社化している。

現在までのECサイトの運営状況ならびに提携・出資動向を踏まえると、NTTドコモは通販の場所を貸し出してできるだけ多くの企業に出店してもらう"モール型"ではなく、それぞれのジャンルで目利きをした上で出店してもらう"セレクト型"の運営を志向しているといえるだろう。

■KDDIはDeNA、ソフトバンクモバイルはヤフーがモール型ECサイトの運営を担う

セレクト型での運営を行うNTTドコモと異なり、KDDIとソフトバンクモバイルはいずれもモール型でECサイトを展開している。

KDDIの場合、ディー・エヌ・エー(DeNA)子会社で自身も出資しているモバオクと共同で「auショッピングモール」を展開している。同サイトは今年春まではDeNAとの共同運営だったが、4月に会社分割の上モバオクに事業承継し現在に至っている。

【KDDIのECサイト展開】
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KDDIとDeNAは他事業でも提携関係にあり、オークションではKDDIとモバオクが「auモバオク」名でサイト展開を行っていた。なお「auモバオク」は2013年8月に「モバオク」に統合されている。

ソフトバンクモバイルは、フィーチャーフォン時代に「Y!」ボタンを携帯電話に配置しポータルサイト「Yahoo!ケータイ」へ誘導するなど従来よりヤフーのサービスとの融合をはかっており、EC分野においてもYahoo!ショッピングや「ヤフオク!」が担っている。

【ソフトバンクモバイルのECサイト展開】
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キャリアによってECサイトの展開手法も三者三様だが、出店店舗では共通点もある。例えばdショッピングの中心的役割を担う爽快ドラッグは、auショッピングモールにもYahoo!ショッピングにも出店をしている。またオークローンマーケティングはYahoo!ショッピング内に「ショップジャパン Yahoo!店」を出店している。

大手店舗は複数のECサイトに出店することが多く、出店企業だけで差別化を図るのは容易ではない。また、アマゾンや楽天市場など、ECサイトには競合もひしめいている。いかに自社のECサイトを利用してもらえるか、各社の模索は続く。