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前年並みに新機種が投入されたフィーチャーフォン、各社の状況は

「ケータイWatch」にて既報の通り、電子情報技術産業協会(JEITA)が公表した2014年9月の国内メーカーによる携帯電話・PHS・スマートフォンの出荷数は、フィーチャーフォンが好調だったことでプラスに転じた。

そこで今回は、フィーチャーフォン端末の現状を取りまとめてみたい。

上のグラフは、2012年度下期(2012年10月~2013年3月)以降に各携帯電話会社が発売したフィーチャーフォンの機種数を示したものである。今後発売予定の端末、PHS、子供向け端末は機種数に含めているが、カラーバリエーションの追加等は新機種にカウントしていない。

その結果、2014年度の新機種数は2013年度と同水準を維持していることが分かった。新機種発表会ではスマートフォンやタブレット、新サービスの影に隠れがちだが、フィーチャーフォンもコンスタントに新機種が発売されているといえるだろう。

続いて、各社のケータイ端末の現状を整理してみたい。

NTTドコモは2014-2015冬春モデルで富士通「らくらくホン ベーシック4 F-01G」、パナソニックモバイルコミュニケーションズ「P-01G」、NECカシオモバイルコミュニケーションズ「N-01G」を発売している。2014夏モデルで投入されたシャープを含め、4社体制で端末を調達している。

KDDIはフィーチャーフォンの調達を京セラに一本化している。以前はシャープ、富士通(東芝含む)、NECカシオなどからもフィーチャーフォン端末を調達していたが、2012年夏モデルの時点で京セラとパンテックの2社に調達先を絞り込んだ。パンテック製端末も2013年以降は発売されておらず、京セラ1社からの調達となっている。ちなみに、子供向け端末「mamorino3」も京セラ製である。

ソフトバンクモバイルは2011年夏モデル以降、シャープとパナソニックモバイルコミュニケーションズの2社から端末を調達しており、2013年度下期にはシャープ「THE PREMIUM10 WATERPROOF 301SH」とパナソニック「COLOR LIFE 4 WATERPROOF 301P」が発売されている。

ワイモバイルのPHS端末は、KDDIと同様京セラが調達の主軸となっている。シャープやSIIの端末も発売されてきたが、2014年度下期の「STOLA 301KC」「LIBERIO 401KC」「CRESTIA 402KC」はいずれも京セラ製となっている。

以上、各社の状況をまとめてみたが、フィーチャーフォンの今後の課題は『VoLTE対応』だろう。既にNTTドコモがサービスを開始、KDDIも12月発売予定の新機種に機能が搭載されているものの、フィーチャーフォンでVoLTE対応のものは登場していない。

VoLTEフィーチャーフォンは商品ラインナップとして投入されるのだろうか。また、投入される場合そのスペックはどのようなものになるのだろうか。既に完成形となり、新機能の追加はあまり行われなかったフィーチャーフォンだが、VoLTE化は1つのターニングポイントになりそうだ。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて11月14日に公開された記事となります。
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