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中古携帯端末の利用実態と市場の現状

MCAでは、15歳から69歳までのネットユーザー約1万人に対して今年5月に中古端末に関するアンケート調査を実施した。今回はその結果から、中古携帯端末の利用実態を見ていきたい。

今回の調査では、2013年以降の中古携帯電話の購入経験ならびに使用済携帯電話の売却経験を明らかにすべく、「購入」「売却」「携帯電話会社のショップに下取り」の3項目について経験有無をたずねている。

その結果、いずれも経験者の割合は5%前後にとどまった。調査結果を細かくみていくと、3項目すべてで女性より男性の方が経験者の割合が多いことも分かった。購入経験者の割合を一例として取り上げると、男性の5.6%に対して女性は2.0%となった。

調査結果の数値だけをみると、中古端末市場にはそれほど動きがないようにも見えるが、実際に中古端末の買い取り・販売を手掛ける事業者へ取材を進めると、違った面も浮かび上がった。というのも、多くの担当者が口を揃えて「買い取れば買い取るほど売れていく」と語り、買取が販売に追いついていないという。

また、中古端末市場では、キャリアによる新製品の投入が少なくなったフィーチャーフォンに対するニーズの根強さや、都市部の店舗で訪日外国人によるいわゆる「爆買い」需要が顕在化している点を指摘する声も聞かれた。いずれも新品市場とは異なる特徴的な動きといえ、今後も当該市場を定点観測していきたい。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて6月12日に公開された記事となります。
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