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通信キャリア各社のポイントサービスを整理する

月々の携帯利用料金に応じ、通信キャリア各社が顧客に付与する「ポイント」は顧客囲い込みツールの1つとなっている。そこで今回は、各社のポイントサービスを整理してみたい。

各社で微妙に異なるスタンス

通信キャリア3社に、来年参入予定の楽天を加えた計4社の状況を比較していきたい。

大きな違いとしてまず挙げられるのがポイントプログラムの運営状況だ。NTTドコモ、KDDI、楽天の3社はポイントプログラムを自ら運営するが、ソフトバンクは共通ポイントプログラムである「Tポイント」を採用している(ただし、ソフトバンク並びにヤフーは、Tポイントプログラムを運営する株式会社Tポイント・ジャパンに出資している)。

もう1つの違いは、ポイントの利用方法だ。NTTドコモ、ソフトバンク、楽天の3社は、それぞれのポイント加盟店でポイントをそのまま利用できる。

一方、KDDIはポイントを「au WALLET プリペイドカード」にチャージする必要がある。ただし、「au WALLET プリペイドカード」はMastercard加盟店であれば基本的にどこでも使えるため、ポイント加盟店に利用範囲が限られる他社と比較して幅広く使えるサービスとも言える。

各社とも加盟店拡大を強化、複数の陣営に参加する店舗も

ポイント加盟店の多寡はポイントサービスの使い勝手を左右するため、各社とも拡充にしのぎを削っている。

現在どのような状況になっているのか確認すべく、それぞれのポイントが利用できる主な店舗をまとめたのが下の表だ。KDDIについては、先述した通りほぼ全てのMastercard加盟店で利用できるため、カード利用時の付与ポイントが通常より増量される「ポイントアップ店」を表中にまとめた。

ご覧の通り、コンビニや紳士服店、メガネ店など、多くの店舗は陣営ごとにきれいに棲み分けができている。

しかしここにきて複数陣営にまたがるケースも出てきた。マツモトキヨシグループを例に取ると、もともとKDDIのポイントアップ店だったが、今年4月末から「dポイント」の導入にも踏み切った。

3つの陣営に参加する上新電機や、「楽天スーパーポイント」から「Tポイント」に乗り換えたサークルK・サンクスのような、新たな動きも見受けられる。

各社の陣取り合戦は、ポイントプログラムに加入していない店舗の掘り起こしから、他のプログラム加盟店の切り崩しへと、新たなフェーズに突入しつつあるようだ。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて10月5日に公開された記事となります。
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