IIJ主催イベント『IIJmio meeting #4』(1):

VoLTE対応の検証結果を公開、初心者向けにSIMカードの基礎講座も

2014年8月2日、インターネットイニシアティブ(IIJ)が「IIJmio meeting #4」を東京で開催した。「IIJスタッフと一般ユーザーがざっくばらんにお話しする」イベントの第4弾で、同社のエンジニアらによるトークセッションと、参加者からの質疑応答が行われた。

今回のイベントでは、「VoLTE端末への対応状況」「MVNOと電気通信事業法の動向」に加え、初心者をターゲットとした「みおふぉん教室」の3つがトークテーマとなった。モバイルビジネス通信では、その内容について前編・後編の2回に分けてお伝えしていきたい。

初心者向けセッション「みおふぉん教室」
「SIMカードってなに?」から解説

過去に3回開催され今回で4回目となるイベントだが、従来の内容が技術面や法制度など、専門的な内容になりがちであったとの反省にたって今回冒頭で新たに設けられたのが、堂前氏の「みおふぉん教室」である。

何となく「SIM」などのキーワードを聞いたことがある人に向けた内容で、「IIJmio」「SIMカード」「SIMフリー」の3つのキーワードに絞って解説が行われるとともに、「みおふぉんでスマホ代を安くする」と題し、NTTドコモ利用者がIIJmioに乗り換える場合を想定した料金比較および実際の乗り換え方法が紹介された。IIJmioの契約手続きに加え、アプリによってはアカウント引き継ぎのために「機種変」が必要となる点など細かなポイントもおさえられた。

あわせて、料金などIIJmioのメリットだけでなく、おサイフケータイやアプリパック(「スゴ得コンテンツ」など)が利用できなくなるデメリット面も取り上げられた。

IIJ 堂前氏 今日覚えて欲しい3つのキーワード
「SIMカード」ってなに? 「SIMロック」ってなに?
IIJmioのSIMカードは? IIJmioに乗り換えると何が変わるの?


なお、IIJmioには高速データ通信可能な容量の違いで3つのプランが用意されている(堂前氏はこれを牛丼に例えて「並盛り、大盛り、特盛り」と表現していた)が、どのプランを選べばよいか判断がつかない場合「最初は最も安い『ミニマムスタートプラン』で契約して欲しい。1GBの高速通信を使い切っても速度は遅くなるが通信できなくなるわけではないし、次の月になればプラン変更も可能である。無駄に料金を支払っていただく必要はない」(堂前氏)と説明していた。

堂前氏 スライド資料

「みおふぉん」でもVoLTE音声通話は可能か?
「Xperia Z2 SO-03F」での検証結果が明らかに

続いて登壇した宮本氏は「VoLTE端末への対応」に関する説明を行った。結論から言うと、IIJmioの音声通話対応SIM「みおふぉん」をVoLTE対応スマホにさすことで、問題なくVoLTEで高品質通話が可能であることが明らかになった。

IIJ 宮本氏 みおふぉんでVoLTE端末は使えるの?#1


IIJはNTTドコモと相互接続を行っているが、その提供条件を示すNTTドコモの約款において、通話は従来「回線交換方式により主としておおむね3kHzの音声その他の音響の伝送」と記載されていた。しかし、2014年6月23日に改正された約款では「音声その他の音響の伝送」となり、回線交換方式との文言が外された。

IIJmio高速モバイル/Dサービスの
モバイルネットワーク(改正版)
変更点


実際にVoLTE対応のスマートフォン「Xperia Z2 SO-03F」を用いて検証を行ったところ、通話中もLTEのデータ通信ができることが判明したという。従来方式では通話を行うとデータ通信も3G通信になってしまうが検証ではそうはならず、VoLTEでの通話が確認されたことになる。

通話相手先がVoLTE対応端末の場合は高品質通話も行える一方、ビデオコールについては利用できないとのことだ。また、端末側の設定によってVoLTE非対応(3Gのみ)にすることも可能だという。

みおふぉんでVoLTE端末は使えるの?#2 みおふぉんでVoLTE端末は使えるの?#3
みおふぉんでVoLTE端末は使えるの?#4


検証結果の説明に続き、VoLTEの解説やVoLTE通信時の端末の挙動も披露された。

なお、IIJmioでVoLTEによる音声通話を行う際には特段の手続きは不要という。また通話料金も従来方式と同様(税抜20円/30秒)で、VoLTE通話を行うことで高速データ通信のクーポンが消費されることはないとの説明がなされた。

宮本氏 スライド資料

後編では、佐々木氏による「MVNOと事業法を巡る最新動向」と、トークイベント後に行われた質疑応答の模様をお伝えする。

IIJ主催イベント『IIJmio meeting』取材記事