中古携帯事業者動向:

〔アワーズ〕東京・神田に中古携帯専門店を開設、フィーチャーフォンをメインにする狙いは

中古携帯端末の売買や、中古携帯を取り扱う提携店へのサポートを行うアワーズが、6月9日に東京・神田駅にほど近い場所に中古携帯専門店を開設した。

路面店としてオープン
神田という立地を活かしフィーチャーフォン中心に陳列

もともと2012年3月より中古携帯専門店を開設していたが、当時は小伝馬町近くのビルの3階に位置していた。「路面店ではないため、ウィンドウショッピング感覚でふらっと立ち寄ってもらえる環境にない」(同社代表取締役 粟津 浜一氏)ハンディを抱えていたものの、コンスタントに端末が売れていったという。

ネット通販で購入できるにもかかわらず店舗に足を運ぶ利用者が一定数存在した背景には、今まで使っていた携帯電話が壊れたので一刻も早く端末を入手したいというニーズがあった。

そこで、店舗での販売を強化すべく神田駅前への移転に踏み切った。移転にともない、店舗を通り沿いの1階にしたことで気軽に足を運んでもらえる環境を整えた。

神田という立地は「仕事で通話をよく行うサラリーマンが多く、フィーチャーフォン(従来型端末)への引き合いも強い」と粟津氏は見ており、店舗に陳列している中古端末もフィーチャーフォンをメインとしている。

アワーズ 新店舗(撮影:6月9日)  
 
開店当日のため商品の陳列が追いついていない部分もあるが、順次充実させていくという。
フィーチャーフォンに注力するワケ

アワーズでは、店舗だけでなく、ネット通販においても中古フィーチャーフォン端末に特化したサイト「ガラケー生活」の運営を行うなど、フィーチャーフォンに注力している。そのため、中古携帯の販売に占めるフィーチャーフォンの割合は約6割と、スマートフォンを上回っているのだ。

なぜ、フィーチャーフォンに注力しているのだろうか。

実は、中古スマートフォンには、"旬"がすぐに過ぎてしまうリスクが存在するのだ。数ヶ月おきに新機種が発売されている現状では、端末がすぐ陳腐化してしまい、値崩れが起きやすい傾向にある。

一方フィーチャーフォンの場合、スマートフォンに比べて新機種数が少なく、かつ高機能化も一巡しており、昔の端末と現在の端末にそれほどの性能差がないため価格が比較的安定しているという。

また、店舗の立地を踏まえた戦略という側面もある。神田は、中古スマートフォン端末の取り扱い店舗が密集する秋葉原に隣接しているおり、フィーチャーフォンを主力にすることで棲み分けを狙っている。

神田にオープンした店舗について「店舗での販売目標は月間1000万円。今後は多店舗展開も検討を行っていく」(粟津氏)とのことだ。

ここまで、アワーズが新店舗を出店した背景、フィーチャーフォンに特化している理由などを取り上げてきた。次回は、同社が中古端末をどのように調達しているのか、ビジネスモデルとともに取り上げたい。

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