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MVNOのオプションとして広がりをみせる端末保証

競合他社との差別化や携帯キャリアからの乗り換えをにらみ、MVNOが端末保証サービスを相次いで投入している。

「他社で購入した端末」も保証対象とする動きが活発に

端末保証といっても、対象端末の範囲で2種類に大別できる。

1つはMVNOが販売した端末に対象を限定するもので、月額料金を支払うことで万が一の際に端末の交換や修理が安価に受けられるサービスが一般的だ。

内容は携帯キャリア各社が提供するものに近く、オプションへの加入は新品端末の購入時に限られる場合が多い。このタイプは端末販売を行うMVNOの多くが既に導入している。細かな話となるが、名称には「保証」ではなく「補償」の二文字がよく用いられている。

通信と端末を一体的に提供する携帯キャリアであればこの補償内容で問題ないが、MVNOの場合、携帯キャリアからの乗り換えで今まで使っていた端末をそのまま用いたり、中古端末を購入したりするケースも少なくない。

今回焦点をあてたいのは、このように他社が販売した端末を持ち込んでMVNOを契約する利用者に対して保証を提供するタイプのものだ。

保証対象を「MVNOが提供するSIMカードでの通信が確認されている端末」や「事前にIMEI情報を登録した端末」と位置付け、修理費用の一定額補填や交換機の提供を行うサービスが主流だ。

持ち込み端末に対する保証サービスを提供する主なMVNO
出典:各社公表資料をもとにMCA


上記の通り、今年に入り既に複数のMVNOがサービスインしている。また、U-NEXTは新料金プラン「U-mobile for iPhone」向けに「つながる端末保証 by U-mobile」を提供することを明らかにしているほか、ケイ・オプティコム「mineo」も今年中のサービス開始を計画するなど、今後も導入事業者の増加が見込まれる。

なお、家電量販店や中古端末取扱店の中には端末購入時に保証サービスを付与できる場合がある。また、短期少額保険会社の中には端末修理費用をカバーする商品を取り扱うところもあり、これもその範疇と考えられる。

いずれにせよ、新品購入時に付与するイメージの強かった保証サービスが、ここにきて持込端末も対象に含まれ、急速にサービスの内容・選択肢ともに広がっていることは、利用者にとって福音と言えるだろう。

本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて10月7日に公開された記事となります。
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