
通信キャリア3社が公表した2018年度通期決算をもとに、主要数値を比較する短期連載。その最後となる今回は、スマホ等販売数に焦点を当てる。
キャリア各社のスマホ等販売数はおおむね前年度並みを維持も先行きに不透明感
上のグラフは、各社が公表する「販売数」のうち、スマートフォンなどを中心とした数値の前年同期比増減の状況をまとめたものである。
NTTドコモのスマートフォン販売数は363.4万台(前年同期比4.4万台増)、ソフトバンクの販売数(主要回線)は322.8万件(同4.6万件減)、KDDIのスマートフォン販売台数(パーソナルセグメント)は210.0万台(同10.0万台増)だった。
2018年度トータルでの状況は、NTTドコモが1293.7万台(前年度比12.8万台減)、ソフトバンクが1109.7万件(同4.1万件増)、KDDIが735.0万台(同17.0万台減)で、多少の前後はあるものの、各社ともおおむね前年度並みの販売水準を維持したことが分かった。
通信料金と端末の分離で通信契約にひもづく端末値引きができなくなり、販売数の減少も危惧されたが、今のところは何とか踏みとどまっている印象だ。
とはいえ、各社が相次ぎ導入する新料金プランの影響が本格化するほか、5Gに向けた新端末投入、販売代理店の総務省への届出制度などイベントは目白押しで、先行き不透明は強いと言えそうだ。引き続き販売動向を注視したい。
本記事は、株式会社インプレス「ケータイWatch」内で弊社が執筆を担当している連載「DATAで見るケータイ業界」にて6月7日に公開された記事となります。 最新記事や過去の掲載分は「DATAで見るケータイ業界」もあわせてご覧下さい。 |
キャリア決算から見る端末販売
- 19年度 1Q:
キャリア各社のスマホ等販売数、新たな規制の導入前で安定的に推移 - 18年度:
キャリア各社のスマホ等販売数はおおむね前年度並みを維持も先行きに不透明感 - 18年度 3Q:
3キャリア揃ってマイナスの異常事態となった販売数 - 17年度 1Q:
キャリア3社の「端末販売数」と「契約あたり収入」を比較する - 16年度 3Q:
2016年10~12月期の携帯端末販売数は前年並みの数量を維持 - 16年度 2Q:
総務省ガイドラインが端末販売に与えた影響を検証する - 総務省のタスクフォースの影響で構造変化する端末市場の行方
- 「端末と通信の分離」が市場に与えた影響を振り返る
モバイル業界スナップショット